障害や病気があり働くことが難しいと感じている方や、休職している方の中には、「交通費を補助してくれる就労移行支援事業所はあるの?」や「就労移行支援事業所に通いたいけど、その間のお金が心配」と悩んでいる人もいるかもしれません。
この記事では、交通費が補助される6つの就労移行支援事業所や就労移行支援事業所に通うための自治体による交通費の補助制度についてご紹介していきます。
就労移行支援事業所は交通費を支給してくれるの?
就労移行支援事業所は、一般企業で働くことを希望する障害や難病のある人が、訓練や実習等を通して、適性に合った職場への就労や定着を目指すサービスです。
事業所によっては交通費や定期券、駐車場代を支給・一部を補助してくれるところもあります。
就労移行支援事業所に通うための交通費・定期券の助成制度
自治体によっては、就労移行支援事業所に通うための交通費を助成してくれるところもありますが、市区町村によって条件が違いますので注意が必要です。
お住まいの市区町村で交通費の助成を行っているかどうか気になる場合、市区町村の障害福祉課に問い合わせてみるか、就労移行支援事業所を選ぶ際にスタッフに聞いてみるのがおすすめです。
ここでは神奈川県横浜市と千葉県浦安市の例をご紹介します。
交通費の助成制度①神奈川県横浜市の場合
神奈川県横浜市では、以下のように就労移行支援事業所に通う身体・知的・精神がある人に対して、施設等通所者への交通費補助が行われています。
対象者 | 横浜市内に居住する15歳以上の障害者施設等通所者及び送迎介助者で、 主に公共交通機関(電車・バス)または、自家用車(四輪)を利用している人 | |
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助成金額 | 主に公共交通機関(電車・バス)を利用する場合 | 「通所回数×通所1回あたりの助成単価」または「6か月定期券代」のいずれか低い金額を助成 |
主に自家用車(四輪)を利用する場合 | 「通所回数×通所1回あたりの助成単価」の金額を助成※ 助成単価は、居住地から施設等の最短経路の距離1㎞につき20円(1㎞未満切上げ) |
※福祉特別乗車券及び敬老特別乗車証の交付対象者は、その取得の有無に関わらず、乗車券等の利用が可能な交通機関(市営地下鉄、バス、シーサイドライン)の運賃は、助成対象外。
例えば、横浜駅から桜木町駅まで電車を利用して月に20回(片道を1回と換算)就労移行支援事業所に通う場合、いくらの金額が助成されるのか計算してみましょう。
- 横浜駅から桜木町駅までの片道1回あたりの運賃150円×20回=3,000円
- 横浜駅から桜木町駅までの6ヶ月定期券の1ヶ月分=3,443円
この場合、金額が低い方の『3,000円』が支給されることになります。
交通費の助成制度②千葉県浦安市の場合
千葉県浦安市では、以下のように就労移行支援に通う人に向けて、障がい者通所施設交通費助成が行われています。
対象者 | 身体障害者手帳所持者療育手帳所持者精神障がい者難病者 | |
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助成内容 | 公共交通機関を利用した場合 | 通所にかかる交通費の半額を助成(1ヶ月につき5,000円を限度)※通所の往復距離が2キロメートル以上 |
自転車を利用した場合 | 通所日数が1か月に10日以上の場合(1ヶ月につき1,000円)※通所の往復距離が2キロメートル以上 |
交通費が補助される就労移行支援事業所6選
ここからは、交通費が補助される就労移行支援事業所を6つご紹介していきます。
ここでは一例として東京都や千葉県、神奈川県、埼玉県の就労移行支援事業所を挙げていますが、デイゴー就労支援ナビではお住まいの市区町村や駅から、就労移行支援事業所を探すことができます。
就労移行支援事業所リスタート
- 交通費は1日の往復が1,000円以内なら全額支給
- 希望者へのお弁当の無料提供
- 資格検定の受験費用を負担
就労移行・定着支援事業所ビンゴ横浜
- 交通費補助あり(要相談)
- 温かいランチあり
- 元町中華街駅より徒歩2分
就労移行支援事業所コネクト
- 交通費助成・駐車場代支給あり(一部条件あり)
- 八幡宿駅より徒歩1分
- 卒業生の2年以内の一般企業への就職率100%
ディーキャリア川越オフィス
- 交通費・昼食支給
- 川越駅より徒歩1分
- 発達、精神障害に特化
ディーキャリア 高槻オフィス
- 交通費0円、昼食100円
- 過去4年間の就職後職場定着率94.9%
- 高槻駅より徒歩1分
ラ・レコルト茨木
- 交通費・お弁当・資格試験代金の補助あり
- 茨木市駅より徒歩3分
- リモートも可能
就労移行支援事業所の選び方に困ったら?
「どの就労移行支援事業所に行けばいいのか分からない」という場合は、あなたの希望条件に応じて、就労移行支援事業所を探すことができます。お困りの際は、ぜひお気軽にデイゴー就労支援ナビをご利用ください。
就労移行支援事業所に関するよくある質問
就労移行支援事業所は利用料金がかかるの?
就労移行支援事業所の利用料金は、1日あたりおよそ500円〜1,400円です。ただし、所得に応じてひと月当たりの負担上限金額が決まっているため、自己負担額なしで就労移行支援事業所を利用する人も多いです。
厚生労働省によると、障害福祉サービスを利用している人(98.5万人)のうち、約92.7%が無料で利用していることが分かっています。
就労移行支援事業所は生活保護を受給しながら利用できるの?
就労移行支援事業所は、生活保護を受給しながら利用することができます。
また、障害年金をもらっている場合でも生活保護を受け取ることができますが、その場合は最低生活費から障害年金を差し引いた差額が支給されることになります。
就労移行支援事業所は給料・工賃をもらえるの?
就労移行支援事業所は、就職するために必要な知識やスキルを身に付けたり、サポートを受けながら自分にあった職場を探したりすることを目的としたサービスのため、原則として給料は支払われません。
ただし、企業から受託した作業分には工賃を支払うなど、一部の事業所では工賃を支払っているところもあります。
働きながら就労移行支援事業所に通えるの?
アルバイトなどで働きながら就労移行支援事業所に通えるのか気になる人もいるかもしれませんが、原則、働きながら就労移行支援事業所に通うことはできません。
ただし、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の改正に伴い、2024年4月1日より、以下の条件に当てはまる場合は、一般就労中でも就労移行支援事業所を一時的に利用することができるようになりました。
- 通常の事業所に雇用された後に労働時間を延長しようとする場合
- 休職からの復職を目指す場合
- 就労移行支援の利用を経て、所定労働時間が概ね週10時間未満の所定労働時間で一般企業等へ就職した場合
就労移行支援事業所を利用したいけどお金がない時はどうすればいいの?
就労移行支援事業所を利用している期間は原則働くことができないため、生活費などのお金をどうするか不安な人もいるかもしれません。
就労移行支援事業所の利用期間中にお金がない場合は、失業手当や傷病手当、食費の減免措置、高額障害福祉サービス等給付費、障害年金、生活保護といった様々な金銭的な負担を減らす制度を利用することができます。
最後に
ここまで、交通費が補助される6つの就労移行支援事業所や就労移行支援事業所に通うための自治体による交通費の補助制度についてご紹介してきましたが、いかがでしたか。
就労移行支援事業所は交通費の補助の有無以外にも、活動内容や通いやすさ、就職実績といった様々な違いがあります。ご自身にあった事業所に通うためにも、いくつかの事業所の見学・体験に行き、比較検討をしてみるのがおすすめです。
最後までお読みいただきありがとうございました。