障害や病気があり働くことが難しい方や、休職している方の中には、「就労移行支援の定着率ってなんだろう?」や「就職後に安定して働き続けられるような企業に就職するにはどうすればいいの?」といった疑問を持っている人もいるかもしれません。
この記事では、就労移行支援における定着率の定義や、定着率が高い利用書を利用するメリット、定着率が90%以上の就労移行支援事業所をご紹介していきます。
就職定着率が90%以上の就労移行支援事業所一覧
ここでは、就職定着率は90%以上の就労移行支援事業所を紹介していきます。
カレント
カレントは東京メトロ丸ノ内線新宿御苑前駅から徒歩3分にある、アットホームな環境づくりが好評の事業所です。アクアリウムの設置や少人数制の採用など、利用者が落ち着いて支援を受けられる環境を整えています。独自のプログラムである「水草アクアリウム」を活用した作業も人気です。
- 社会福祉士資格保有のスタッフが在籍
- PCの無料貸与あり
- 就職後6ヶ月以降の定着支援サービスあり
meray(ミレイ)
merayは、京王バス前原駅から徒歩1分にある、定着率100%を達成している事業所です。実用的なPCスキルを始め、生活リズムの改善やコミュニケーションスキルの習得など就労の定着に欠かせない様々な技術を身につけられます。栄養バランスが整ったできたての昼食も人気です。
- 就労定着率100%を達成
- ヨガ、マインドフルネスなどの充実したメンタルケア
- 実用的なPC資格の取得支援
就労移行支援事業所エナベル松戸
就労移行支援事業所エナベル松戸は、千葉県松戸駅西口から徒歩2分に位置する、幅広い資格取得支援を提供している事業所です。MOSやITパスポートなどのPCスキル以外にも、秘書検定やネイル検定など様々なジャンルの資格取得を支援しています。
- 社会福祉士・公認心理師資格保有のスタッフが在籍
- 多彩なジャンルの資格取得をサポート
- 就職後6ヶ月以降の定着支援サービスあり
就労移行支援事業所 Pinto(ピント)
就労移行支援事業所 Pintoは、流山おおたかの森駅から歩いて2分にあるPCスキルの習得に強い事業所です。WordやExcelなどの基本的なPCスキルだけでなくWebデザインやプログラミングなどの専門スキルも習得できます。様々な国家資格を保有したスタッフが多い点にも注目です。
- 公認心理師、社会福祉士資格保有のスタッフが在籍
- 作業療法士による作業評価あり
- 就職後6ヶ月以降の定着支援サービスあり
アクセスジョブさいたま
アクセスジョブさいたまはJR東大宮駅東口から徒歩30秒で、ジャンルを問わない資格取得のサポートが人気の事業所です。最寄り駅から徒歩30秒という好立地なので、通所のストレスも減らせます。さらに日商簿記検定やTOEIC、ITパスポートなど、自分の興味がある分野の資格取得をサポートしてくれます。
- 公認心理師・臨床心理士資格保有のスタッフが在籍
- 就職後6ヶ月以降の定着支援サービスあり
- キャリアコンサルタントによる就労サポートあり
就カレワークス
就カレワークスは、横みなとみらい線日本大通り駅から徒歩6分にある、クリエイティブ職のスキルの習得に強い事業所です。Web制作やデザイナー、イラストレーターなといったクリエイティブ職に必要なスキルを体系的に学べます。
- 公認心理師資格保有のスタッフが在籍
- デザイナー経験者による指導あり
- 就職後6ヶ月以降の定着支援サービスあり
はぐみワークス
はぐみワークスは、大阪メトロ御堂筋線東三国駅から徒歩4分にある親身なキャリアプランの作成が好評の事業所です。専門のキャリアコーチが希望や特性などを考慮して、利用者と一緒にキャリアプランを作ってくれます。利用者一人一人に合わせた丁寧な支援も人気です。
- ITや英語など幅広いジャンルのスキル習得に強い
- 心理学を土台にした独自の講座あり
- PCの無料貸与あり
エミリア本町
エミリア本町は、大阪メトロ四つ橋線本町駅から徒歩3分で、在宅訓練にも対応している事業所です。在宅訓練に対応しているので外出が困難な利用者も通所しやすいうえ、就労先も清掃や接客、梱包作業など幅広いです。祝日にはレクリエーションが開催されることもあります。
- 交通費支給あり
- PCの無料貸与あり
- 在宅訓練にも対応
Coco Color(ココカラー)
Coco Colorは京阪本線 御殿山駅から徒歩8分の位置にある、最大4年間の支援が受けられる事業所です。自立訓練と就労移行支援を合わせた最大4年間にわたる支援のなかで、自分のペースを維持したサポートを受けられます。精神保健福祉士の資格をもったスタッフも在籍しています。
- 精神保健福祉士資格保有のスタッフが在籍
- PCの無料貸与、交通費補助あり
- 就職後6ヶ月以降の定着支援サービスあり
大手の就労移行支援事業所の定着率
ここでは、大手就労移行支援事業所の定着率を紹介します。大手の事業所は、事業所数や利用者数が多いため、就職支援の実績が豊富な傾向があります。
※2024年7月25日時点の情報を参照
サービス名 | 就職定着率 | 事業所数 |
---|---|---|
ディーキャリア(d-career) | 92.2%(2021年度時点) | 91 |
atGPジョブトレ | 91.4%(2019年度時点) | 12 |
就労移行支援manaby(マナビー) | 89.4%(2023年度時点) | 27 |
ニューロリワーク | 90.2%(2024年3月時点) | 16 |
ミラトレ | 97.5%(2023年度時点) | 15 |
ウェルビー(welbe) | 91%(2024年8月現在) | 114 |
就労移行ITスクール | 94%(2021年5月時点) | 39 |
Cocorport(ココルポート) | 90%(2023年度時点) | 75 |
Kaien | 不明(就職後1年後の離職率は9%) | 16 |
LITALICOワークス | 89.2%(2023年度時点) | 127 |
就労移行支援の定着率とは?定着率が高いメリットは
就労移行支援における定着率とは、就労移行支援を利用して就職した人が一定期間経過したあとに同じ職場で働き続けている割合を示す言葉です。
厚生労働省は、就労移行支援の就職後定着率について、「前年度の利用定員のうち、就労継続期間が6月に達した人の割合」、つまり事業所から就職した人が6ヶ月まで仕事を続けている割合と定義しています。事業所によっては、定着率の定義が違う場合もあるため注意が必要です。
定着率の高さは、就労移行支援事業所を選ぶうえで見逃せないポイントといえます。就労移行支援事業所が提供するサービスは事業所によって異なりますが、定着率が高い事業所には以下のような傾向があり、就職後も安定して働き続けたいと考えている人にとってはメリットとなるでしょう。
- 就職の準備が整った時期を見計らって就職活動をサポートしてくれる
- 利用者の特性や性格を見極めたうえで、適切な職場を選んでくれる
- 就職後の職場定着支援(企業との連絡調整や利用者からのヒアリングを通した課題把握等)に力を入れている
反対に、定着率が低い場合は、たとえ就職率が高くても生活リズムが改善されていなかったり障害への理解が不十分だったりする内に就職してしまい、早期離職につながるおそれがあります。
就労移行支援の定着率の計算方法
就労移行支援の就職後6月以上定着率は、以下の計算式で算出できます。
就職後定着率=前年度の就労定着者÷前年度の利用定員
就労定着者とは、就労移行支援を受けた後に就労し6ヶ月が過ぎた人のことです。就労移行支援事業所の職場定着支援義務期間※中に転職支援を受け、退職後1ヶ月以内に再び就労した人も就労定着者とみなされます。
※就労移行支援事業所を利用して就職後6ヶ月は、職場定着支援義務期間として就労移行支援事業所による定着支援サービスを受けることができます。
就労移行支援の定着率の平均はどのくらい?
障害者職業総合センターの調査によると、就労移行支援を利用した人の就職後6ヶ月の平均定着率は89.6%、1年後の平均定着率は82.3%と、他の障害福祉サービスと比較すると高い傾向にあります。
加えて、以下のグラフが示す通り、障害の特性によっても平均定着率(就労移行支援を含む一般企業へ就職した障害のある人が対象)は異なります。
4種類の障害特性のうち最も定着率が高いのは発達障害で、1年後の定着率は約72%です。一方最も定着率が低いのは精神障害で、1年後の定着率は約49%でした。精神障害のある人の定着率が低い背景には様々な要因が考えられますが、厚生労働省の発表では症状の悪化・再発や働く意欲の維持が困難なことなどが挙げられています。
都道府県別!就職実績のある就労移行支援事業所の一覧
都道府県ごとに就職実績のある就労移行支援事業所をまとめていますので、こちらも合わせてご覧ください。
- 東京都で就職実績のある就労移行支援事業所
- 神奈川県で就職実績のある就労移行支援事業所
- 埼玉県で就職実績のある就労移行支援事業所
- 千葉県で就職実績のある就労移行支援事業所
- 大阪府で就職実績のある就労移行支援事業所
定着率の高さ以外で就労移行支援事業所を比較するポイント
就労移行支援事業所を選ぶうえでポイントになるのは、定着率の高さだけではありません。ここでは特に意識したいポイントとして4つをご紹介していきます。
ポイント①:通いやすさ
通いやすい事業所かどうかは、重要なチェックポイントです。たとえ定着率が高い事業所でも、場所が遠かったり電車の混み具合の負担が大きかったりすると、通所が苦痛になるおそれがあります。
長く通所を続けるためにも、通い続けられるかどうかは大事なポイントになります。
ポイント②:スタッフの専門性・経験
在籍しているスタッフの専門性や経験の豊富さも見逃せません。障害のある人が適正にあった職場に就職するためのサポートは、専門的な知識や知見が必要です。
専門性やノウハウをはかるために、公認心理師や社会福祉士などの国家資格を持ったスタッフがいるか、開設からどれほどの年月が経っているかなどもチェックしましょう。
ポイント③:プログラム内容
事業所選びでは、高い定着率と同時に自分が望むプログラムを受けられるかもキーポイントとなります。「ITスキルの習得に強い」や「特定の障害に特化したプログラムがある」など、支援内容やプログラムは異なります。
自分がどのような職場で働きたいのかを考えて、最適なプログラムを提供している事業所を選びましょう。
ポイント④:事業所やスタッフの雰囲気
事業所やスタッフの雰囲気もチェックすべきポイントです。集団での作業を重視している事業所や少人数制を採用している事業所など、事業所によって雰囲気は大きく変わります。また、利用者に対するスタッフの支援方針なども事業所ごとに様々です。
こうした事業所の雰囲気を十分に理解するには、画像や文字の情報だけでは不十分ですから、気になる事業所がみつかったら、ぜひ見学や体験を申し込んでみてください。
最後に
ここまで、就労移行支援における定着率の定義や、定着率が高い事業所利用するメリット、定着率が90%以上の就労移行支援事業所をご紹介してきました。
定着率の高さは、障害のある人が長く働くうえでの重要な指標です。事業所を選ぶ際には、定着率をチェックするほか、定着率以外にも事業所の雰囲気や通いやすさなど様々な要素を比較してみてください。
気になる事業所が見つかったら、まずは見学や体験を申し込んで実際に事業所に足を運ぶのがおすすめです。デイゴー就労支援ナビは、エリアや路線、就職後の定着率、対象の障害など細かな条件から事業所を比較検討することができるので、ご活用いただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。