おすすめの就労移行支援16選!見学前の比較ポイントを分かりやすく解説!

障害や病気があり働くことが難しい方や、休職している方の中には、「就労移行支援事業所はどうやって比較すればいいの?」や「どんな就労移行支援がおすすめなの?」といった疑問を持っている方もいるかもしれません。

この記事では、在宅での支援や交通費・昼食補助の有無といった観点から16のおすすめの就労移行支援事業所のほか、ご自身にあった就労移行支援事業所を探すための比較のポイント、就労移行支援を利用して就職した人の口コミなどをご紹介していきます。

目次

なぜ就労移行支援事業所は比較することが大切なの?

就労移行支援事業所は、以下の図のようにプログラム内容や就職実績(職場定着率、就職人数、就職先の職種等)、支援制度など事業所によって特色が異なります

スクロールできます
A事業所B事業所C事業所
主なプログラム内容オフィスソフト
会計・経理
プログラミング
動画編集
Photoshop
Illustrator
WordPress
※eラーニング中心
自己理解
健康管理
服薬管理
感情コントロール
ストレス管理
オフィスソフト
事務スキル
プログラミング
HTML・CSS
Javascript
PHP
Webデザイン
就職後職場定着率70%100%80%
平均利用期間7ヶ月18ヶ月12ヶ月
定員20人10人20人
支援制度資格取得支援
交通費補助
昼食あり
個室ブースあり
リワーク支援あり
就職定着サポートあり
在宅訓練可能
交通費補助
昼食あり
PC無料貸与
在宅訓練可能

就労移行支援事業所の利用期間は2年間と限られているため、ご自身と合わない事業所を選んでしまうと、限られた時間を無駄にしてしまうことにもなりかねません。

実際に、「自分の希望しない職種の企業実習しか選べなかった」や「スタッフと馬が合わなかった」、「スタッフから直接教えてもらいたかったが、eラーニング中心のプログラムだった」といった理由から、就労移行支援事業所を変えざるをえなかった人もいます。

そのため、できるだけミスマッチがないように、事前に複数の事業所の情報を調べて比較検討の上、2〜3つの事業所へ見学・体験に行くことが大切になります。

就労移行支援事業所を探す流れ

ご自身に合った就労移行支援事業所を探し出すためには、いくつかの事業所を比較した上で、2〜3事業所へ見学・体験に行くことが大切です。ここでは、就労移行支援事業所を選ぶ流れをご紹介します。

ステップ①:通える距離の事業所を比較する

就労移行支援事業所は全国各地に多数あり、各事業所によって受け入れている対象者や訓練内容が異なります。インターネットでの検索や市区町村の障害福祉担当窓口への相談などを通して、自宅から通える範囲の就労移行支援事業所をいくつかピックアップし、比較してみましょう。比較のポイントは、後ほど詳しくご紹介します。

埼玉県や千葉県から東京都内への就職を考えている人など、就職後の通勤時間を考慮して自宅から遠い事業所を選ぶ場合もあります。

ステップ②:見学・相談に行く

多くの就労移行支援事業所は随時見学を受け入れています。実際に事業所に足を運ぶことで、インターネットの口コミやパンフレットの情報だけでは分からない、スタッフや利用者の雰囲気などを確かめることができるため、気になった就労移行支援事業所を見つけたら、見学の申込をしてみましょう。

また、見学時には、事前に調べてみても分からなかったことについて、遠慮なくスタッフに質問してみてください。

ステップ③:体験利用をする

見学をした中で、「この事業所なら通ってみたい」と感じた就労移行支援事業所があれば、体験利用をして実際に訓練を受けてみましょう。いくつかの事業所を並行して体験利用することも可能です。

体験利用では、訓練の内容だけではなく、通所時間帯の公共交通機関の混み具合、利用者の雰囲気、昼休憩時の過ごし方、利用者とスタッフの関係性を確認することができます。

就労移行支援事業所を比較するおすすめのポイント

ここからは、見学・体験に行ってみたいと思える事業所を探すために、数ある就労移行支援事業所を比較するための5つのポイントをご紹介していきます。

①就職実績で比較

就労移行支援事業所は一般企業等への就職を目指して利用するサービスのため、就職実績が気になる人も多いでしょう。

就職実績は、以下のように平均利用期間・就職人数・就職後の職場定着率・就職先の職種といった観点から確認してみてください。

平均利用期間就職人数就職後の職場定着率就職先の職種
事業所A8ヶ月10人(定員20人)60%事務、データ入力、農作業、清掃
事業所B11ヶ月8人(定員20人)80%Web制作、デザイナー、ヘルプデスク、エンジニア
事業所C1年半5人(定員10人)90%事務、接客、介護、ライター

例えば、事業所Aは就職するまでの平均利用期間は8ヶ月と短いですが、就職後の職場定着率は60%と他の事業所と比べて低めです。

反対に、事業所Cの平均利用期間は1年半と長めですが、就職後の職場定着率は90%で、一人ひとりに合った就職先を探してくれたり、就職後の定着支援が手厚かったりする事業所である可能性があります。

また、事業所Bの就職先の職種はWeb制作やエンジニアなど、他の事業所よりもITに強いことが分かります。

ただし、開設して間もない事業所に関しては、就職実績がない場合がほとんどです。

②プログラムの内容で比較

プログラムの内容は、一般型とIT特化型で大きく分かれます。一般型の事業所では以下のような訓練を行います。

一般型のプログラムの例
  • 自己理解
  • 生活リズム・日常生活管理
  • パソコンの基礎スキル
  • 事務スキル
  • ビジネスマナー
  • 面接練習
  • 応募書類添削

自己理解や健康管理、面接練習や応募書類の添削といったサポートはどの就労移行支援事業所でも行いますが、IT特化型の事業所では、一定程度のITへの知識がある人に向けて、以下のような訓練を行います。

IT特化型のプログラムの例
  • プログラミング
  • HTML・CSS
  • Javascript
  • PHP
  • Webデザイン
  • 動画編集
  • Photoshop
  • Illustrator
  • WordPress

そのほかに、以下のように特定の障害のある人に特化したプログラムを用意している事業所もあります。

特定の障害のある人に特化したプログラムの例
  • うつ症状の理解・苦手への対策
  • 不安障害の理解・苦手への対策
  • 統合失調症の理解・苦手への対策
  • 発達障害の特性理解・苦手への対策
  • 聴覚障害の理解・ビジネスコミュニケーション
  • SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)
  • 認知行動療法
  • タスク・時間管理
  • 他者理解

③在宅・オンラインでの支援の有無で比較

事業所によっては、最初から週5日での通所が厳しい場合や体調を崩して通所での訓練が難しい場合、在宅での就職を目指す場合などに、自宅からオンラインで訓練を受けることができるところもあります。

ただし、在宅で支援を受けることができる条件や日数は事業所によって違いがあり、中には完全在宅で訓練を受けることができる場合もあります。

④通いやすさで比較

安定的に就労移行支援事業所へ通っていることが就職活動でのアピールポイントにもなるため、在宅での訓練が主な一部の事業所を除き、週5回の通所を目指す場合が多いです。

ですから、駅からの距離や駐車場の有無など、自宅から事業所までの通いやすさは大事なポイントになってきます。例えば車いすを利用している人の場合、駅にエレベーターが設置されておらず通所できないという場合もあり得るため、一度実際に事業所へ足を運んでみて、通い続けられそうか確かめてみてください。

⑤昼食や交通費等の支援制度の有無で比較

就労移行支援事業所に通っている間は、原則アルバイトなどで働くことができません。少しでも利用者の経済的な負担を減らす観点から、交通費の補助や昼食の提供を行っている事業所もあります。

また、交通費や昼食費のほかにも、就職活動で有利になる資格取得費用の補助がある場合もあります。

おすすめの就労移行支援事業所の一覧

ここからは、在宅での支援や交通費・昼食補助の有無といった観点からおすすめの就労移行支援事業所をご紹介していきます。

ここでは一例として東京都や大阪府、神奈川県、埼玉県、千葉県の就労移行支援事業所を挙げていますが、デイゴー就労支援ナビではお住まいの市区町村や駅から、就労移行支援事業所を探すことができます。

IT特化の就労移行支援事業所4選

IT就労ビズウェル 新宿校 東京都

IT就労ビズウェル 新宿校のポイント
  • Excel、Word、プログラミング、WEBデザイン等が学べる
  • 新宿御苑前駅から徒歩1分
  • 現場エンジニアによる直接指導も可能

ダイアモンドマーリン 神奈川県

ダイアモンドマーリンのポイント
  • プログラミング(Unity、Java、Python、 C+)、デザイン(Blender、Illustrator、Photoshop)、WEB(CSS、PHP、Shopify、Wix、JavaScript)を学べる
  • 昼食無料
  • Microsoft MOSやAdobe等の資格取得は無料

ディーキャリアITエキスパート田町オフィス 東京都

ディーキャリアITエキスパート田町オフィスのポイント
  • IT分野に精通したスタッフによるキャリア面談ができる
  • 田町駅より徒歩9分
  • JavaScript,、PHP、MySQL、WordPress等が学べる

就労移行支援事業所COCOCARA 所沢オフィス 埼玉県

就労移行支援事業所COCOCARA 所沢オフィスのポイント
  • 動画編集、Illustrator、Photoshop、プログラミングが学べる
  • 1人1台PC無料貸与
  • 在宅訓練も選べる

在宅・オンラインで訓練を受けられる就労移行支援事業所4選

テレワーカーズ柏 千葉県

テレワーカーズ柏のポイント
  • 完全在宅利用(テレワーク)での訓練支援
  • 在宅勤務(テレワーク)での就職を目指すことに特化
  • 訓練用PCは無料で貸与

ディーキャリア 海老名オフィス 神奈川県

ディーキャリア 海老名オフィスのポイント
  • 就職後半年の職場定着率は100%(2022年度実績)
  • zoomでの遠隔訓練あり
  • 発達障害の特性に応じたコンテンツあり

ディーキャリアITエキスパート 中野オフィス 東京都

ディーキャリアITエキスパート 中野オフィスのポイント
  • プログラミング、Excel、ソフトウェア基礎、ヘルプデスクスキル等を学べる
  • 就職後半年の職場定着率は100%(2022年度実績)
  • zoomでの遠隔訓練あり

manabyCREATORS大河原 宮城県

manabyCREATORS大河原のポイント
  • 在宅ではチャットや通話でいつでもスタッフに質問可能
  • 事務・デザイン・プログラミングなど1,500以上の動画でITスキルが学べる
  • 未経験から事務職を目指せる

交通費が補助される就労移行支援事業所4選

就労移行・定着支援事業所ビンゴ横浜 神奈川県

就労移行・定着支援事業所ビンゴ横浜のポイント
  • 交通費補助あり(要相談)
  • 温かいランチあり
  • 元町中華街駅より徒歩2分

就労移行支援事業所コネクト 千葉県

就労移行支援事業所コネクトのポイント
  • 交通費助成・駐車場代支給あり(一部条件あり)
  • 八幡宿駅より徒歩1分
  • 卒業生の2年以内の一般企業への就職率100%

ディーキャリア 高槻オフィス 大阪府

ディーキャリア 高槻オフィスのポイント
  • 交通費0円、昼食100円
  • 過去4年間の就職後職場定着率94.9%
  • 高槻駅より徒歩1分

ディーキャリア川越オフィス 埼玉県

ディーキャリア川越オフィスのポイント
  • 交通費・昼食支給
  • 川越駅より徒歩1分
  • 発達、精神障害に特化

昼食・弁当が補助される就労移行支援事業所4選

就労移行支援事業所リスタート 東京都

就労移行支援事業所リスタートのポイント
  • 希望者へのお弁当無料提供、交通費支給
  • 資格検定の受験費用を負担
  • 高田馬場駅より徒歩4分

ディベアスサポート就労移行支援事業所 埼玉県

ディベアスサポート就労移行支援事業所のポイント
  • 無料の昼食サービス
  • 就職後の定着支援あり
  • 草加駅より徒歩5分

ぷらす守口 大阪府

ぷらす守口のポイント
  • ご希望の方には無料で昼食を提供
  • 月1万円を上限とした受験補助制度
  • 太子橋今市駅より徒歩2分

ディーキャリアITエキスパートおおたかの森オフィス 千葉県

ディーキャリアITエキスパートおおたかの森オフィスのポイント
  • 管理栄養士がついた昼食を無料で提供(人数制限あり)
  • IT・Webスキル(プログラミングスキル)の習得を目指すための講座あり
  • 流山おおたかの森駅より徒歩10分 

就労移行支援事業所を利用した人の声・口コミ

ここからは、就労移行支援事業所を利用して、一般企業等へ就職をした皆さんの声をご紹介していきます。

他者と関われるようになり再就職を果たした|精神障害

前職の正社員の仕事を辞めた直後は、「仕事ができなくて辞めたんじゃない」「あの会社の経歴であればすぐに転職できるはずだ」と自信があった。一方、今振り返ると、精神的には不安定で人に当たることもあったし、メンタル面の不調などについても十分に認識していなかったと思う。

就労移行支援事業所に通い始めたばかりの頃は、職員さんに当たったこともあったが、継続的に支援を受ける中で、家での行動や、自身の被害妄想的な側面にもフォーカスできるようになった。

その結果、人に当たる傾向は徐々に減っていき、職員さんも含めて他者とも関われるようになり、再就職を果たすことができた。

就職後も、困ったことがあって自力では解決できそうにないときには、就労移行支援事業所に相談すると親身になって話をきいてくれる。

障害特性に対する向き合い方が変わった|発達障害

就労移行支援を利用する前までは、思い通りにいかないと「障害だから」と悩んでいた。周囲からは「気にし過ぎじゃないか」「甘えじゃないか」と言われてきたが、就労移行支援に思い切って相談をしてみた。

「マルチタスクが苦手、指示理解が入らない、まとまりのないコミュニケーション」など、課題が山積みで、そもそも問題自体に気付いていないこともあったが、色々なプログラムにチャレンジし、スタッフと現状を整理しながら、自分がやりやすい解決方法を考えていくことで、障害特性に対する向き合い方が変わった。

自分自身と向き合う=個人戦のイメージを思い描くと思うが、就労移行支援ではスタッフや他のメンバーからの声掛けにより励まされ、気づきになり、自信が持てるようになり、一般事務職に就職することができた。

都道府県別!おすすめの就労移行支援事業所

都道府県ごとにおすすめの就労移行支援事業所をまとめていますので、こちらも合わせてご覧ください。

都道府県別でおすすめの就労移行支援

都道府県別でおすすめのIT特化型就労移行支援

市区町村別!おすすめの就労移行支援事業所

市区町村ごとにおすすめの就労移行支援事業所をまとめていますので、こちらも合わせてご覧ください。

市区町村別でおすすめの就労移行支援

最後に

ここまで、在宅での支援や交通費・昼食補助の有無といった観点から16のおすすめの就労移行支援事業所のほか、ご自身にあった就労移行支援事業所を探すための比較のポイント、就労移行支援を利用して就職した人の口コミなどをご紹介してきました。

この記事でご紹介した在宅での支援や交通費・昼食補助の有無といった観点のほかにも、人によって事業所を選ぶ上で優先するポイントは様々です。そのポイントはインターネットやパンフレットでの下調べだけでなく、見学・体験を通して見えてくるものでもありますから、ぜひ実際に事業所へ相談をしてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

監修者情報:メンタルエイド代表。社会福祉士、精神保健福祉士、ジョブコーチ、心理カウンセラー、幼稚園教諭。就労移行・就労定着支援サービスを行う事業所に12年従事。サービス管理責任者として個別支援計画をはじめ利用者との認知面談を中心にプログラム講師・支援機関連携・クリニック同行・企業開拓・面接同行・応募書類添削・定着支援・新規立ち上げ・スタッフ育成などを行う。120名の障がい者就労の実績があり、面談は1,000人以上。多くの面談実績からオリジナルの上村式認知整理面談技法を発案。

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