就職後に働き続けられるか不安な人の中には、「就労定着支援ってどんなサービス?」や「就労定着支援サービスは利用した方がいいのかな?」と悩んでいる人もいるかもしれません。
この記事では、就労定着支援サービスの内容や利用条件、サービスを受けるメリットなどについてご紹介していきます。
就労定着支援サービスって何?簡単に紹介
就労定着支援は、障害のある方が一般企業等での就労を長期的かつ安定的に続けるためのサポートを受けることができるサービスです。
就労移行支援、就労継続支援、生活介護、自立訓練などのプログラムを経て一般就労(一般企業等への就職)を果たしてから6ヶ月が経過し、なおかつ就労による環境の変化で日常的・社会的な生活に課題を抱える障害のある人を対象としています。
就労定着支援サービスでは、支援員が障害のある従業員(利用者)と雇用主の間に立ち、職場や日常生活でのさまざまな課題や不安に対処し、障害のある人の働きを多角的に支援してくれます。
就労定着支援と就労移行支援の違い
就労定着支援と間違えやすいサービスとして「就労移行支援」がありますが、対象者や支援内容に違いがあるため注意が必要です。
就労移行支援が既に一般企業等への就職をしてから6ヶ月が経過している障害のある人が対象であるのに対し、就労移行支援は一般就労を希望し適正に合った職場への就労が見込める障害のある人が対象となっています。
支援の種類 | 対象者 | 主な目的 | 支援内容 |
---|---|---|---|
就労定着支援 | 一般就労してから6ヶ月経過後、職場や日常生活に課題を抱える障害のある人 | 支援期間終了後の、特別な支援無しで職場に定着すること | 企業や関係機関との連携月1回以上の対面相当での支援など |
就労移行支援 | 一般就労が見込める人で、一般就労に向けたサポートを望む障害のある人 | 一般就労に向けたスキル習得や職場探し、長期的な定着など | 利用者の職場開拓就労に向けた訓練 など |
両者の違いについては以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にして下さい。
就労定着支援サービスの内容
就労定着支援は、障害のある人の長期的な一般就労に向けて様々な支援が受けられます。
- 職場の人間関係や業務内容(量や質)についての相談
- 障害・病気の症状が悪化したときのクリニック同行
- 本人が企業へ伝えたいが伝わらないことをかみ砕いて企業へ説明
- 薬の飲み忘れや金銭管理など、日常生活改善のためのアドバイス
- 業務中の居眠りや身だしなみなど、長期的な就労を困難にしている課題への助言
- 利用者の自宅や勤務先に対し、月1回以上の対面相当でのヒアリングを通した課題把握
- 家族や勤務先との連絡調整 など
このように、就労先で抱える問題だけでなく就労によって起こり得る私生活の課題も支援してくれるのが心強い点です。日常生活がおろそかになってしまうと長期的な就労が困難になることからも、両面からの支援は利用者にとって頼りになる存在と言えます。
就労定着支援サービスを受けるメリット
ここでは、就労定着支援サービスを受けるメリットとして特に注目したいものを3点ピックアップし、それぞれ詳しく解説します。
メリット①担当者と定期的に課題や問題を共有できる
まず挙げられるメリットは、担当者が緊密に連携してくれるため、課題や問題を常に共有しあえる点です。
長期的に働き続けることを実現するには、課題や問題を都度クリアしていかなければなりません。
就労定着支援は、月1回以上の対面相当(テレビ電話等を含む)の支援が行われます。
このように、利用者の課題や問題を定期的にヒアリングし、都度サポートをしてくれる担当者は、長期的な職場定着を狙う上で心強い存在です。
メリット②利用者に馴染み深い担当者が支援を継続してくれる場合も
就労定着支援は、卒業した就労移行支援事業所や就労継続支援事業所等の職員が引き続き担当してくれます。利用者にとって馴染み深い相手なので安心して相談しやすい上、障害の特性や抱える課題などをよく理解してくれるでしょう。
就職後は環境が大きく変わって負担に感じる場合もあります。そのような中で、信頼できる人に支援を担当してもらえるのは大きなメリットと言えます。
ただし、就労定着支援を行っていない就労移行支援事業所や就労継続支援事業所等を利用している場合は、就労定着支援を行っている別の事業所で新しい担当者のサポートを受けることになります。
メリット③就職・転職後に安定して働き続けることができる
課題点の共有や個人に合わせた支援計画により、就職や転職後に安定して働き続けられる点も、見逃せないメリットです。厚生労働省が発表した資料によると、約1,550ヶ所の就労定着支援事業所のうち、98%以上の事業所の就労定着率が5割以上となっています。
(参考:就労定着支援に係る報酬・基準について≪論点等≫p7|厚生労働省)
就労定着支援サービスがある就労移行支援事業所の例
ここからは、就労定着支援サービスがある就労移行支援事業所をご紹介します。
東京都や千葉県、埼玉県、神奈川県、大阪府の就労移行支援事業所を一例としてご紹介していますが、デイゴー就労支援ナビでは、お住まいの地域で就労定着支援サービスのある就労移行支援事業所を一覧で比較検討することができます。
カレント(東京都)
カレントは、新宿御苑前駅から徒歩3分、アクアリウムの設置や少人数制の採用など、利用者が落ち着いて支援を受けられる環境を整えています。
就職定着率 | 90%以上 |
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昨年の就職人数 | 10~14名(定員12名) |
平均利用期間 | 6~12ヶ月 |
対象障害 | 精神/知的/発達 |
就労移行支援事業所 Pinto(千葉県)
Pinto(ピント)は東武野田線流山おおたかの森駅から徒歩2分、作業療法士や公認心理師による支援が受けられるアットホームな雰囲気の事業所です。
就職定着率 | 90%以上 |
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昨年の就職人数 | 15名以上(定員20名) |
平均利用期間 | 6~12ヶ月 |
対象障害 | 精神/知的/発達/身体/難病 |
アクセスジョブさいたま(埼玉県)
アクセスジョブさいたまはJR東大宮駅東口から徒歩30秒で、一人ひとりの特性や事情に合わせた訓練プログラムを提供してくれる事業所です。
就職定着率 | 90%以上 |
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昨年の就職人数 | 6~9名(定員20名) |
平均利用期間 | 6~12ヶ月 |
対象障害 | 精神/知的/発達/身体/難病 |
就カレワークス(神奈川県)
就カレワークスはJR関内駅から徒歩6分に位置し、1人の利用者に対して複数のスタッフによるチーム体制の支援に力を入れています。
就職定着率 | 90%以上 |
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昨年の就職人数 | 10~14名(定員20名) |
平均利用期間 | 12~18ヶ月 |
対象障害 | 精神/知的/発達/身体/難病 |
Coco Color(大阪府)
Coco Color(ココカラー)は京阪本線御殿山駅から徒歩8分で、最大4年をかけて自分のペースでじっくりと就労を目指せる事業所です。
就職定着率 | 90%以上 |
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昨年の就職人数 | 1~5名(定員10名) |
平均利用期間 | 6~12ヶ月 |
対象障害 | 精神/知的/発達/身体/難病 |
就労定着支援に関するよくある質問
つづいては、就労定着支援に関してよくある質問にQ&A形式で回答します。今回は特に多い質問として、以下の5点を取り上げました。
最後に
この記事では福祉サービスの1つである「就労定着支援」にスポットを当て、サービスの概要や利用対象者などを解説しました。
就労定着支援は就労移行支援などの福祉サービスを経て一般就労を果たした人が対象で、就労後6ヶ月が経過してから受けられるサービスです。最大で3年の利用期間が設定されているものの、3年後は障害者就業・生活支援センターなどの関係機関で引き続き支援が受けられます。
利用料金は利用者の所得によって異なるため、記事内の表を参考にしてご自身がどの区分に属するのかチェックしましょう。
また、ご自身に合う事業所を見つけるにはまず2〜3ヶ所の事業所の見学・体験をおすすめします。
就労移行支援事業所の検索サイトデイゴー就労支援ナビでは、就労定着支援サービスの有無や就職実績、プログラム内容などから様々な事業所を比較検討できるので、ぜひお役立て下さい。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。