身体障害のある人が利用できる就労移行支援とは?一覧でご紹介!

身体障害があるために就職が難しいと感じているや休職している方の中には、「就労移行支援事業所は身体障害のある人も使えるの?」や「身体障害がある人向けの就労移行支援事業所にはどのようなものがあるの?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、身体障害のある人が就労移行支援を利用するメリットや、就労移行支援を利用した身体障害のある人の就職率、身体障害のある人が利用できる就労移行支援事業所をご紹介していきます。

目次

身体障害のある人が利用できる就労移行支援とは

就労移行支援事業所は、一般企業で働くことを希望する障害や難病のある人が、訓練や実習等を通して、適性に合った職場への就労や定着を目指すサービスです。

利用期間は原則24ヶ月(2年)以内で、利用料金は1日あたりおよそ500円〜1,400円となっています。ただし、所得に応じてひと月当たりに負担する上限金額が決まっているため、自己負担額なしで就労移行支援事業所を利用する人も多いです。

厚生労働省によると、障害福祉サービスを利用している人(98.5万人)のうち、約92.7%が無料で利用していることが分かっています。

身体障害のある人が就労移行支援を利用するメリット

身体障害のある人が就労移行支援を利用して一般企業等への就職を目指すメリットは、以下の点が挙げられます。

身体障害のある人が就労移行支援を利用するメリット
  • 働く上での困りごとに対する自己理解が進む
  • 働く上での困りごとに対する対処方法が身に付く
  • 企業に就職するためのスキルが身に付く
  • 就職活動のサポートを受けられる
  • 就職後も相談などのサポートを受けられる

就労移行支援事業所を利用できる身体障害の例

以下が就労移行支援事業所を利用できる身体障害の例です。

  • 視覚障害
  • 聴覚又は平衡機能の障害
  • 音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害
  • 肢体不自由
  • 心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障害
  • ぼうこう又は直腸の機能の障害
  • 小腸の機能の障害
  • ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害
  • 肝臓の機能の障害

就労移行支援を利用した身体障害のある人の就職率

「就労移行支援事業所に通ったら就職できるのだろうか?」と不安に思う人もいるかもしれません。ここでは、東京都の調査を例に、身体障害のある人で、就労移行支援事業所を利用して就職した人の割合をご紹介します。

以下の図のように、就労移行支援を利用した身体障害のある人の就職率は、2021年度に『42.2%』となっており、約2.5人に1人が就労移行支援に通って就職をしていることが分かります。

(東京都福祉局 令和2年度3年度4年度就労移行等実態調査より作成)

身体障害のある人の就職先の職種

身体障害のある人の就職先の職種は、「事務的職業」が26.3%と最も多く、次いで「生産工程の職業」が15.0%、「サービスの職業」が13.5%となっています。

このほか、「専門的、技術的職業」や「販売の職業」、「運搬・清掃・包装等の職業」といった職種に就いている人もいます。

(参照:厚生労働省 「令和5年度障害者雇用実態調査結果報告書」)

身体障害がある人も利用できる就労移行支援事業所の一覧

ここからは、身体障害がある人に向けて、就労移行支援事業所を一覧でご紹介していきます。ここでは一例として東京都や埼玉県、千葉県の就労移行支援事業所を挙げていますが、デイゴー就労支援ナビではお住まいの都道府県や駅から、身体障害のある人が利用できる就労移行支援事業所を探すことができます。

就労移行支援事業所 プレンティとしまく

就労移行支援事業所 プレンティとしまくのポイント
  • バリアフリー完備
  • 新大塚駅より徒歩3分
  • マンツーマンで指導

コンフィデンス日本橋

コンフィデンス日本橋のポイント
  • 三越前より徒歩1分
  • 交通費助成・昼食サービス・年金社労紹介・通院同行
  • 卒業生の職場定着率95%

就労移行支援サービスLinkキャリアサポートセンター

就労移行支援サービスLinkキャリアサポートセンターのポイント
  • 東池袋駅より徒歩3分
  • MOS (Expert含)・医療事務・秘書検定等等の資格取得支援
  • 9割が就職前に職場実習

ディーキャリア所沢オフィス

ディーキャリア所沢オフィスのポイント
  • 所沢駅より徒歩5分
  • MOS・ITパスポート・簿記等の資格取得支援
  • 個別支援・個別カリキュラム

ディベアスサポート就労移行支援事業所

ディベアスサポート就労移行支援事業所のポイント
  • 草加駅より徒歩5分
  • 自立訓練(生活訓練)併設
  • 昼食無料

就労移行支援事業所 Pinto

就労移行支援事業所 Pintoのポイント
  • 流山おおたかの森駅より徒歩2分
  • 事務職、専門職、IT技術職、軽作業、清掃職等への就職実績あり
  • 一般就労移行率94%(2022年)

身体障害のある人におすすめの就労移行支援事業所の選び方

身体障害のある人が就労移行支援事業所を選ぶ際には、以下のようなポイントからいくつかの事業所を比較してみるのがおすすめです。

  • 事業所のバリアフリー環境は整っているか?
  • 駅から事業所までの距離はどのくらいか?
  • 事業所の就職実績・定着率はどのくらいか?
  • トイレは車いすやオストメイトに対応しているか?
  • 車での通所も可能か? 

特に、自宅から事業所までの通いやすさは大事なポイントになってきます。例えば駅にエレベーターが設置されておらず通所できないという場合もあり得るため、一度実際に事業所へ足を運んでみて、通い続けられそうか確かめてみてください。

デイゴー就労支援ナビでは、お住まいの地域や最寄り駅から通いやすい就労移行支援事業所を探し、対象となる障害や活動内容などを比較検討できますので、ぜひご活用ください。

就労移行支援事業所に関するよくある質問

就労移行支援事業所の利用条件・対象者は?

就労移行支援事業所は、以下の4つの条件を満たしている人が対象者とされています。

就労移行支援事業所の対象者
  1. 一般就労を希望している
  2. 障害・難病がある
  3. 65歳未満である
  4. 適性に合った職場への就労等が見込まれる

サービスを利用できるかどうかの判断は市区町村が行っているため、「自分は就労移行支援事業所の利用対象者なのだろうか?」と不安の場合は、お住まいの市区町村の障害福祉担当部署にまずは相談してみてください。

※65歳以上の人は、以下の条件のいずれも満たしている場合は、65歳を過ぎても就労移行支援事業所を利用することができます。

65歳以上の人が就労移行支援を利用する条件
  • 65歳に達する前5年間に障害福祉サービスの支給決定を受けていた人
  • 65歳に達する前日までに就労移行支援の支給決定を受けていた人

障害者手帳なしでも就労移行支援事業所を利用できる?

就労移行支援事業所を利用する際は、主治医の意見書や自立支援医療受給者証等があれば、障害者手帳を持っていなくてもサービス利用の申請をすることができます。

就労移行支援と就労継続支援の違いは?

就労移行支援事業所と就労継続支援A型・B型事業所の大きな違いは、利用期間と一般企業等への就職率です。

就労移行支援が一般企業へ就職する人の割合が『56.3%』と一番大きく、反対に就労継続支援B型が一般企業へ就職する人の割合が『10.1%』と小さくなっています。※

また、就労移行支援事業所は利用期間が原則2年間となっていますが、就労移行支援事業所は利用期間に制限がありません。

※参考:厚生労働省 「就労移行支援に係る報酬・基準について」より

就労移行支援事業所では給料をもらえるの?

就労移行支援事業所は、就職するために必要な知識やスキルを身に付けたり、サポートを受けながら自分にあった職場を探したりすることを目的としたサービスのため、原則として給料は支払われません。

ただし、企業から受託した作業分には工賃を支払うなど、一部の事業所では工賃を受け取ることができるところもあります。

就労移行支援事業所は働きながら利用できるの?

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の改正に伴い、2024年4月1日より、以下の条件に当てはまる場合は、一般就労中でも就労移行支援事業所を一時的に利用することができるようになりました。

  • 通常の事業所に雇用された後に労働時間を延長しようとする場合
  • 休職からの復職を目指す場合
  • 就労移行支援の利用を経て、所定労働時間が概ね週10時間未満の所定労働時間で一般企業等へ就職した場合

最後に

ここまで、身体障害のある人が就労移行支援を利用するメリットや、就労移行支援を利用した身体障害のある人の就職率、身体障害のある人が利用できる就労移行支援事業所をご紹介してきましたが、いかがでしたか。

就労移行支援事業所の利用期間は2年間までと決められています。限られた時間の中で一般企業等への就職を実現するためにも、いくつかの事業所を比較検討した上で、ご自身にあった事業所を見つけてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

監修者情報:メンタルエイド代表。社会福祉士、精神保健福祉士、ジョブコーチ、心理カウンセラー、幼稚園教諭。就労移行・就労定着支援サービスを行う事業所に12年従事。サービス管理責任者として個別支援計画をはじめ利用者との認知面談を中心にプログラム講師・支援機関連携・クリニック同行・企業開拓・面接同行・応募書類添削・定着支援・新規立ち上げ・スタッフ育成などを行う。120名の障がい者就労の実績があり、面談は1,000人以上。多くの面談実績からオリジナルの上村式認知整理面談技法を発案。

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