就労移行支援事業所を利用してみようかなと思っている皆さんの中には、「就労移行支援ってどんな人が働いているのかな?」や「どんなサポートをしてくれるの?」、「社会福祉士や精神保健福祉士などの資格をもっている人もいるの?」といった疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
この記事では、就労移行支援事業所で働くスタッフ・支援員の役割や所有している資格、スタッフと相性が合わなかった時の対処法などについてご紹介していきます。
就労移行支援事業所のスタッフ・支援員はこんな人
就労移行支援は、一般就労を希望する障害・難病のある人が、適性に合った職場への就職・定着を目指すサービスです。
職業指導員、生活支援員、就労支援員、サービス管理責任者など、様々な役割をもったスタッフが就職のためのトレーニングや就職活動の準備といったサポートを日々行っています。
- 職業指導員
- 生活支援員
- 就労支援員
- サービス管理責任者(サビ管)
- 管理者
就労移行支援事業所のスタッフの資格とサポート内容
ここからは、就労移行支援事業所のスタッフとして働くために必要な資格・経験や、それぞれの職種ごとのサポート内容について、詳しくご紹介していきます。
就労移行支援のスタッフ①職業指導員
職業指導員に必要な資格・経験
職業指導員として働くのに必要な資格はありません。ただし、働くための知識や技術、マナーなどを指導する立場であるため、指導内容に対する知識や経験がある場合が多いです。
また、社会福祉主事任用資格など、資格を持っている人もいます。
職業指導員のサポート内容
職業指導員のサポート内容には以下のようなものがあります。
- 個別支援計画にもとづき、一人ひとりが働く上で必要な知識や技術(パソコン、書類作成、プログラミングなど)を指導する
- ビジネスマナーの習得の手助けをする
- 生産活動や職場実習などの機会を提供する
- 一般企業に就職したあとに、職場定着のための課題や不安を解決するための支援を行う
就労移行支援のスタッフ②生活支援員
生活支援員に必要な資格・経験
生活支援員として働くのに必要な資格は特にありませんが、中には社会福祉士や介護福祉士、社会福祉主事任用資格、介護職員初任者研修といった資格を持っている人もいます。
生活支援員のサポート内容
生活支援員のサポート内容には以下のようなものがあります。
- 個別支援計画にもとづいて、健康管理など日常生活の支援を行う
- 事業所での人間関係の不満や将来への不安など、課題解決のための相談に応じる
就労移行支援のスタッフ③就労支援員
就労支援員に必要な資格・経験
資格がない場合でも就労移行支援員として働くことができます。一方、経験面については、厚生労働省が「職場実習のあっせん、求職活動の支援及び就職後の職場定着のための支援等、障害者に関する就労支援の経験を有した者が行うことが望ましい」としているため、就労支援の経験や知識を一定もった人が就労支援員として働いている場合が多いです。
また、中には社会福祉士や社会福祉主事任用資格といった資格を持っている人もいます。
※2024年度の法改正では、基礎的研修の受講が就労支援員に義務付けられました(2027年度までは経過措置)。
就労支援員のサポート内容
就労支援員のサポート内容には以下のようなものがあります。
- 職場実習や求人の開拓を行う
- 面接対策や書類作成などの就職活動の支援を行う
- 職場体験や面接へ同行する
- 就職後に職場へ定着するためのフォローを行う
就労移行支援のスタッフ④サービス管理責任者(サビ管)
サービス管理責任者(サビ管)に必要な資格・経験
サービス管理責任者(サビ管)の資格を取得するためには、障害児・者などの保険・医療・福祉・就労・教育の分野において相談支援や直接支援の実務経験が3~8年あることや、研修の受講などが必要です。
サービス管理責任者は相談支援や直接支援等の実務経験が豊富な上に、社会福祉士、精神保健福祉士、作業療法士、介護福祉士などの資格を持っている人も多くいます。
サービス管理責任者(サビ管)のサポート内容
サービス管理責任者(サビ管)のサポート内容には以下のようなものがあります。
- 面談や作業の様子の観察などを通してアセスメントを行う
- 一人ひとりに対して適切な支援の内容の検討を行い、個別支援計画を作成する
- 利用者の心身の状況や環境の変化に応じて、個別支援計画の見直しをする
就労移行支援のスタッフ⑤管理者
管理者に必要な資格・経験
就労移行支援事業所の管理者として働くためには、社会福祉主事任用資格、社会福祉事業に2年以上従事した経験、社会福祉施設長資格認定講習会の修了などの経験・資格が必要です。
管理者のサポート内容
管理者は、スタッフの管理・教育や業務状況の把握などといった事業所全体の管理を行っているため、利用者と直接関わる機会は少ないかもしれません。ですが、管理業務に支障のない範囲であれば、事業所内の他の役割と兼務している場合も多いです。
就労移行支援事業所でのスタッフとの関わり方
これまでご紹介してきたように、就労移行支援事業所には様々な役割のスタッフが在籍しています。ここでは、就労移行支援事業所の利用を開始してから卒業するまでの間に、どの場面でどのようにスタッフと関わっていくのか、その一例をご紹介していきます。
①アセスメント
就労移行支援事業所の見学や体験を通して正式に通所が決まったら、まずはサービス管理責任者と個別支援計画を作成します。
②基礎訓練期
個別支援計画で今後の目標が具体的に決まったら、基礎訓練期となります。基礎訓練期に行うことは人によって様々ですが、生活支援員のサポートを受けながら栄養バランスの見直しや生活習慣の記録などの健康管理を行うこともあります。
③実践的訓練期
実践的訓練期では、職業指導員によってビジネスマナーの研修を受けたり、パソコン操作やプログラミングなどを学んだりして、働くためのスキルを深めていきます。
④マッチング期
マッチング期では、主に就労支援員によって面接対策や書類作成などの就職活動のサポートを受けます。また、企業実習や面接に就労支援員や職業指導員が同行することもあります。
⑤就職
就職後は、実際に職場で働いてみて感じた悩みや不安などを就労支援員などに相談するなどのサポートを受けることができます。
就労移行支援事業所のスタッフと相性が合わなかったら?
「就労移行支援事業所のスタッフと相性が合わなかったらどうしよう?」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
万が一、就労移行支援事業所のスタッフが原因で休まざるを得ないような状況になった場合は、従業員を管理している「管理者」に相談してみましょう。
スタッフとの相性を利用開始前に確かめるためには、就労移行支援事業所の事前見学や体験利用がおすすめです。まずは気になった事業所の見学を3つほどしてみて、一番ご自身にあっているなと感じた事業所を選べるといいかもしれません。
デイゴー就労支援ナビでは、お近くの就労移行支援事業所の特徴や働いているスタッフなどの比較検討、気になった事業所への問い合わせ等もできますので、ぜひご活用ください。
就労移行支援に関するよくある質問
最後に
ここまで、就労移行支援事業所で働くスタッフ・支援員の役割や所有している資格、スタッフと相性が合わなかった時の対処法などについてご紹介してきました。
ご自身が「この人がいるなら通い続けれそう」と思えるような事業所を見つけるためにも、ぜひいくつかの就労移行支援事業所を比較検討してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。