障害者雇用の履歴書の書き方|志望動機から本人希望欄、写真のルールまで

障害者雇用での就職・転職活動において、最初の大きな関門となるのが「履歴書の作成」です。

「一般枠の履歴書と同じ書き方でいいの?」
「障害のことは、どこまで詳しく書くべき?」
「配慮してほしいことがあるけれど、どう伝えればマイナスにならない?」

このような不安や悩みを抱えて、履歴書の前で筆が止まってしまう方は非常に多くいらっしゃいます。

履歴書は、企業にあなたという人物を知ってもらうための「最初のお見合い写真」であり、自己紹介の場です。

特に障害者雇用の場合は、これまでの経験やスキルだけでなく、「自身の障害特性を正しく理解し、企業に適切に伝えられるか」という点も大きな評価ポイントになります。

本記事では、障害者枠で応募するための履歴書の書き方を徹底解説します。

使うべきテンプレートの選び方から、基本となる写真のルール、採用担当者の心を掴む志望動機の作り方、そして障害者雇用において最も重要とも言える本人希望欄の書き方まで、具体的な例文を交えながら詳しくご紹介します。

この記事を読み終える頃には、何を書けばいいのかという迷いが消え、自信を持って履歴書の作成に進めるようになっているはずです。ぜひ最後までお読みいただき、あなたの魅力がしっかりと伝わる履歴書を作り上げましょう。

目次

障害者雇用の履歴書、どの「テンプレート(用紙)」を使うべき?

履歴書を書こうと思ったとき、まず直面するのが「どのフォーマットを使えばいいのか」という疑問です。

文房具店や100円ショップに行けば様々な種類があり、インターネット上にも無数のテンプレートが存在します。障害者雇用の場合、特別な履歴書が必要なのでしょうか。

基本はネット検索で表示される「JIS規格」でOK

結論から申し上げますと、障害者雇用だからといって専用の特別な履歴書を用意する必要はありません。基本的には、一般的な「JIS規格」の履歴書を使用すれば問題ありません。

JIS規格(日本産業規格)の履歴書は、学歴・職歴、志望動機、自己PR、本人希望欄など、採用側が知りたい項目がバランスよく配置されています。

多くの企業の採用担当者が見慣れているフォーマットであるため、情報の所在がわかりやすく、悪目立ちすることもありません。迷ったらまずはJIS規格のテンプレートを選ぶのが最も安全で確実な選択です。

障害特性や配慮事項をしっかり書きたい場合のコツ

基本はJIS規格で問題ありませんが、障害特性や企業にお願いしたい配慮事項が多い方の場合は、少し工夫が必要です。

JIS規格の標準的な履歴書は、本人希望欄のスペースが限られていることがあります。そこに小さな文字でぎっしりと配慮事項を書いてしまうと、非常に読みづらく、採用担当者に内容が正確に伝わらない可能性があります。

そこでおすすめしたいのが、「本人希望欄が大きいタイプ」や「フリースペース(自己PR欄など)が多いタイプ」のテンプレートを選ぶというテクニックです。

最近では、転職者向けに職歴欄が広く取られているものや、自己アピール欄が大きいものなど、用途に合わせた履歴書が多数販売・配布されています。

ご自身の障害の状況(通院頻度、業務上必要なサポート、得意なこと・苦手なことなど)を詳細に伝えたい場合は、この本人希望欄や備考欄の枠が大きいものを選ぶと、ゆとりを持って丁寧に記載することができます。

パソコン(PC)作成か、手書きか?

履歴書は「手書き」か「PC作成」か、というのもよくある悩みです。

かつては「手書きの方が熱意が伝わる」と言われていましたが、近年ではパソコンでの作成(WordやExcelのテンプレートの使用)が主流になりつつあります。特に障害者雇用の事務職などを希望される場合、PCで綺麗にレイアウトされた履歴書を提出すること自体が、「基本的なPCスキルがある」というアピールに繋がります。

もちろん、手書きが指定されている場合や、字の丁寧さに自信がある場合は手書きでも構いません。

ただし、書き損じた場合の修正(修正テープなどはNG)の手間を考えると、PCでの作成をおすすめします。PC作成であれば、ベースとなるデータを一つ作っておけば、応募先企業に合わせて志望動機などを少し調整するだけで済むため、就職活動の効率も格段に上がります。

履歴書の書き方と基本マナー(写真・学歴・職歴)

テンプレートが決まったら、実際に項目を埋めていきましょう。履歴書には、社会人としての基本的なマナーやルールが存在します。ここでは、各項目ごとの書き方のポイントと注意点を詳しく解説します。

全体的な基本ルール

  • 黒のボールペンを使用する
    • 消えるボールペン(フリクションなど)や鉛筆は絶対に使用してはいけません。万年筆やゲルインクボールペンがおすすめです。
  • 修正液・修正テープは厳禁
    • 一文字でも間違えたら、面倒でも新しい用紙に最初から書き直すのがルールです。二重線での訂正も印象を損ねます。
  • 元号(和暦)か西暦を統一する
    • 履歴書全体で、年号の表記はどちらかに統一しましょう。現在は西暦で記入するのが一般的になりつつあります。
  • 空欄を作らない
    • 資格がない場合は「特になし」、本人希望欄で特に書くことがない場合も「貴社の規定に従います」と記載し、空欄のまま提出しないようにします。

第一印象を決める!「写真」のルール

履歴書において、写真は文字情報以上に強い印象を与えます。サブキーワードである「写真」のマナーを押さえましょう。

  • サイズと期限
    • 縦4cm×横3cmが基本です。撮影から「3ヶ月以内(遅くとも半年以内)」のものを使用します。髪型などが大きく変わった場合は撮り直しましょう。
  • 服装と身だしなみ
    • 黒や紺のスーツ、白いシャツが基本です。ネクタイは派手すぎないものを。清潔感が最も重要です。寝癖やフケがないか、メイクはナチュラルかなど、撮影前に鏡でしっかり確認してください。
  • 表情と姿勢
    • 顎を軽く引き、背筋を伸ばします。口角を少しだけ上げ、歯を見せない程度の穏やかな微笑みを意識すると、親しみやすい印象を与えられます。
  • 撮影場所
    • 写真館(スタジオ)での撮影が最も美しく仕上がるため推奨しますが、駅などにある証明写真機でも問題ありません。最近はスマートフォンアプリで撮影できるものもありますが、背景の処理や影の入り方、画質などでどうしても手作り感が出てしまうため、本命の企業に応募する際は避けたほうが無難です。
  • 裏面に記名
    • 万が一、履歴書から写真が剥がれてしまった場合に備え、写真の裏面に「氏名」と「生年月日」を記入してから糊付けしましょう。

基本情報(氏名・生年月日・住所・連絡先)

  • 氏名
    • 大きく丁寧に書きます。「ふりがな」とある場合はひらがなで、「フリガナ」とある場合はカタカナで記入します。
  • 住所
    • 都道府県名から省略せずに書きます。「1-2-3」のようにハイフンで済ませず、「1丁目2番地3号」と正式な表記で書きましょう。マンション名や部屋番号も正確に記入します。
  • 連絡先
    • 日中、確実に連絡が取れる電話番号(携帯電話でOK)を記入します。メールアドレスも、企業からの連絡を受け取りやすいPCのアドレス(Gmailなど)を記載しましょう。

学歴・職歴の書き方

  • 学歴
    • 一般的には「中学校卒業」から、あるいは「高等学校入学」から記入し始めます。
      学校名は省略せず、正式名称で記入します。(例:「〇〇高校」ではなく「〇〇県立〇〇高等学校」)
      学部や学科、専攻がある場合はそれらも記入します。
  • 職歴
    • 学歴の最後の行から1行空け、中央に「職歴」と記入してから書き始めます。
      短期間での退職であっても、社会保険に加入していた職歴は原則すべて正確に記入します。ブランク(空白期間)がある場合、療養に専念していたなど理由があれば、面接で答えられるように準備しておきましょう。
      企業名は「(株)」などと省略せず、「株式会社〇〇」と正式名称で書きます。
      障害をオープンにせずに働いていた(クローズ就労)職歴であっても、そのまま記入して問題ありません。

業務内容を詳細に書きたい場合は、履歴書には「入社」「退職」などの事実のみを簡潔に書き、詳細は「職務経歴書」に譲るのがスマートな見せ方です。

最後に、職歴の次の行の右端に「以上」と記入して締めくくります。

採用担当者に響く!「志望動機」の書き方と例文

履歴書の中で、採用担当者が最も重視する項目の一つが「志望動機」です。特に障害者雇用の場合、企業は「なぜうちの会社で働きたいのか」「長く定着してくれそうか」「自社の業務に貢献できるか」を真剣に見ています。

「家から近いから」「障害者求人が出ていたから」といった理由だけでは、採用担当者の心は動きません。ここでは、説得力のある志望動機の書き方と、障害者雇用の選考で使える実践的な例文をご紹介します。

志望動機を作成する3つのステップ

説得力のある志望動機を作るためには、以下の3つの要素を盛り込むのが基本です。

なぜ、その企業を選んだのか(結論・きっかけ)
数ある障害者求人の中で、なぜその企業に応募したのかを明確にします。企業の理念、扱っている商品やサービス、障害者雇用の実績や環境など、惹かれたポイントを具体的に挙げましょう。

自分に何ができるか(経験・スキルのアピール)
過去の職歴や、就労移行支援事業所などで身につけたスキルを、その企業でどう活かせるかを説明します。未経験の場合は、仕事に対する意欲ややっている工夫などをアピールします。

入社後にどう貢献したいか(将来の展望・意気込み)
「配慮してもらう」という受け身の姿勢だけでなく、「自分なりに工夫して、企業の戦力になりたい」という前向きな姿勢を伝えます。

【パターン別】障害者雇用の志望動機・例文集

ご自身の状況に合わせて、以下の例文をアレンジして活用してみてください。

例文1:身体障害があり、事務職の経験を活かして転職する場合

貴社が展開する〇〇サービスの「すべての人に使いやすいITを提供する」という理念に深く共感し、志望いたしました。私は前職で経理事務を◯年間担当し、Excelを用いたデータ集計や、正確な書類作成のスキルを培ってまいりました。下肢に障害があり車椅子を使用しておりますが、デスクワークにおける業務遂行には全く支障はございません。これまでの事務経験を活かし、貴社のバックオフィス部門で正確かつ迅速なサポートを行い、チームの業務効率化に貢献したいと考えております。

例文2:精神障害・発達障害があり、就労移行支援を経て応募する場合

貴社が障害のある社員の定着支援に力を入れており、チームで協力して業務を進める風土がある点に魅力を感じ、志望いたしました。私は〇〇の診断を受けておりますが、過去〇年間、就労移行支援事業所に毎日休まず通所し、PCスキル(Word、Excel)やビジネスマナー、および自己理解を深める訓練を積んでまいりました。自身のストレスサインに気づき、適切に対処するセルフコントロールの手法も身につけております。訓練で得た集中力と丁寧な作業を活かし、データ入力や書類整理などの業務において、貴社に貢献したいと存じます。

例文3:未経験の職種(軽作業など)にチャレンジする場合

貴社の〇〇センターにおける商品管理の求人を拝見し、コツコツと正確に進める作業が得意な私の強みを活かせると思い志望いたしました。前職は接客業でしたが、在庫管理や品出しの業務において、ミスなく効率的に行う手順を工夫することにやりがいを感じていました。物流業務は未経験ではございますが、新しいことを学ぶ意欲には自信があります。周囲の方々と適切にコミュニケーションを取りながら業務手順をいち早く覚え、貴社の正確な商品管理に貢献できるよう努力いたします。

「本人希望欄」で障害配慮を正しく伝える方法

障害者雇用における履歴書で、一般枠と決定的に異なるのが「本人希望欄」の活用方法です。

本来、本人希望欄は「どうしても譲れない勤務条件(勤務地や時間など)」を書く場所ですが、障害者雇用の場合は、ここに「自身の障害についての情報」や「企業にお願いしたい配慮事項」を記載するのが基本ルールとなっています。

企業側は、この項目を見て「自社で安全に、かつ能力を発揮して働いてもらうために、どのような環境やサポートを用意すればよいか」を判断します。

正確に、かつ前向きに伝えることが成功の鍵です。本人希望欄には、以下の3つのポイントを箇条書きで簡潔に整理して書きましょう。

① 障害の状況(基本情報)

まずは、ご自身の障害に関する客観的な情報を伝えます。

  • 障害名(診断名): 正確な診断名を記載します。
  • 障害者手帳の種類と等級: (例:身体障害者手帳◯級、精神保健福祉手帳◯級、療育手帳◯度など)
  • 現在の症状の安定性: 服薬等で症状が安定していることを記載すると、企業の安心感に繋がります。

② 通院や服薬の状況

業務時間中の通院が必要か、服薬のタイミングなどに配慮が必要かを明記します。

  • 通院の頻度と曜日: (例:月に1回、平日の午後に通院のため半休を希望いたします/通院は休日に済ませるため、業務への支障はありません、など)
  • 服薬: 業務時間中の服薬が必要な場合や、薬の副作用(眠気など)がある場合はその旨を記載します。

③ 業務上でお願いしたい配慮事項(得意・不得意)

「何ができないか」だけでなく、「どうすればできるか」「自分ではどのような対策をしているか」をセットで書くのがポイントです。

  • 身体的配慮: 車椅子の使用、長時間の立ち仕事の可否、重いものを持てるか、など。
  • 環境的配慮: 聴覚過敏のためのイヤマフ(耳栓)の着用許可、定期的な小休憩の許可、など。
  • 指示の出し方への配慮: 「口頭指示だけでなく、メモやテキストでの指示をお願いしたい」「一度に複数の指示をされると混乱することがあるため、優先順位をつけて一つずつ指示を出していただきたい」など。

【障害別】本人希望欄の書き方例文

ご自身の状況に合わせて、以下の例文をアレンジして活用してみてください。

身体障害の例(下肢障害の場合)

【障害の状況】
 ・下肢機能障害(身体障害者手帳◯級)
 ・通院:半年に1回程度のため、業務への影響はございません。
【配慮のお願い】
 ・移動の際は車椅子を使用しております。段差のないルートや、多目的トイレの使用、車椅子が通れる通路幅(〇〇cm程度)の確保をお願いできますと幸いです。
 ・高いところにある資料を取るなどの動作が困難なため、手の届く範囲への配置などサポートをお願いする場合がございます。
 ・デスクワーク中心の業務であれば、問題なく遂行することが可能です。

精神障害の例(うつ病などの場合)

【障害の状況】
 ・うつ病(精神保健福祉手帳◯級)
 ・通院:月に1度、土曜日に通院しているため業務への影響はございません。服薬により症状は安定しております。
【配慮のお願い】
 ・環境の変化や予期せぬトラブルに対し、一時的に強い疲労やストレスを感じることがあります。その際、別室で10分程度の小休憩を頂けますと、リフレッシュして業務に復帰することができます。
 ・自身の体調の波については自己理解を進めており、不調のサインを感じた際は、早めに上司や支援機関の担当者に相談・報告するように努めております。

発達障害の例(ASD/ADHDなどの場合)

【障害の状況】
 ・自閉スペクトラム症(精神保健福祉手帳◯級)
 ・通院:月に1度、平日に通院しております。可能であれば有給休暇や半休を活用させていただきたく存じます。
【配慮のお願い】
 ・口頭での曖昧な指示(「適当にやっておいて」「なる早で」など)の意図を汲み取ることが苦手です。業務の指示をいただく際は、「〇日の〇時までに」など具体的な数値を用いたり、チャットやメモなどテキストベースで残していただけますと、認識のズレなく正確に業務を遂行できます。
 ・周囲の雑音が気になることがあるため、業務に集中するためにノイズキャンセリングイヤホンの使用をお認めいただけますと幸いです。

ネガティブになりすぎない工夫を

配慮事項を書く際、あれもこれもと要求ばかりを並べると「扱いづらい人だ」という印象を与えかねません。

企業は福祉施設ではなく、利益を追求する組織です。

「自分はこのような工夫・自助努力をしています。それに加えて、この部分だけ環境を整えていただければ、十分に会社の戦力として活躍できます」というメッセージが伝わるように推敲しましょう。

まとめ:履歴書は自分を伝える最初のプレゼン資料

いかがでしたでしょうか。障害者雇用の履歴書の書き方について、テンプレートの選び方から、各項目のマナー、志望動機、そして最も重要な本人希望欄の書き方まで詳しく解説してきました。

履歴書は単なる経歴書の枠を超え、「自己理解ができているか」「企業で働く準備が整っているか」を証明するための、最初のプレゼンテーション資料です。特に障害者雇用においては、自分の障害と向き合い、それをどう企業に伝えていくかが内定獲得の大きな鍵を握ります。

最初から完璧な履歴書を書ける人はいません。書いていく中で、自分の強みや課題が再発見できることも多々あります。まずはこの記事の例文などを参考にしながら、自分なりの言葉で書き進めてみてください。

とはいえ、「自分の障害特性をどう文章に落とし込めばいいかわからない」「志望動機がこれで伝わるか不安…」と悩まれる方も多いでしょう。就職・転職活動において、一人で抱え込むのは最も避けるべきことです。

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この記事を書いた人

かべなし求人ナビ・就労支援ナビ編集部は、障害や難病のある人が働く上で役立つ情報や、障害者雇用にまつわる情報、就労移行支援・就労継続支援A型・B型における事業所運営のノウハウを発信しています。就労移行支援事業所の管理者経験者も在籍し、有識者にもご協力いただいています。

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