就労継続支援A型事業所の経営者・サービス管理責任者・管理者の皆さんの中には、「就労継続支援A型の利用者が集まらない」や「どんな方法で利用者を集めたらいいの?」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、就労継続支援A型事業所で利用者を集めるためのポイントや、SNS(インスタグラム・X)やハローワーク、Web広告といった利用者集客のための具体的な手段を6つご紹介していきます。
就労継続支援A型事業所は集客に力をいれるべき?
就労継続支援A型事業は、利用期間が原則2年以内と限られている就労移行支援事業と違い、利用期間の制限がありません。
厚生労働省によると、就労継続支援A型事業所の利用期間は『3年超』の人が36%いる一方で、『2年超3年未満』の人が37%と最も多く、『2年以下』の人は27%となっています。
利用者の半数以上が3年未満で就労継続支援A型事業所の利用を辞めていることから、集客に力を入れることで利用者の減少を防ぎ、安定的な事業所運営につなげることができます。
(参考 厚生労働省 就労移行支援・就労定着支援に係る報酬・基準について)
就労継続支援A型事業の動向と現状
近年の就労継続支援A型事業の市場の動向はどうなっているのでしょうか。
就労継続支援A型の利用者数の推移を見ると、8年連続で増加しています。
また、就労継続支援A型の事業所数の推移を見ても8年連続で右肩上がりとなっており、需要の拡大に伴って事業所数も増えていることが分かります。
一方で、2024(令和6)年度の報酬改定ではスコア方式の項目の見直しが行われ、生産活動収支が賃金総額を下回った場合には減点、経営改善計画に基づく取組みを行っていない場合は減点といった厳しい内容もありました。
そのため、就労継続支援A型事業所はより一層、仕事を確保する必要が出てくるでしょう。
就労継続支援A型事業所が利用者を集めるためのポイント
ここでは、就労継続支援A型事業所が効率的に利用者を集めるために必要なことをご紹介していきます。
ポイント①自事業所における強みの把握
利用者はいくつかの就労継続支援A型事業所を比較しながら、通いたい事業所を決めることになります。近隣の事業所など、競合となりそうな事業所と差別化を図るためにも自事業所における強みを把握しておくことが大切です。
- 平均賃金が高い
- 能力が高まると賃金も上がる仕組みがある
- 施設外就労先が豊富
- 一般就労移行率が高い
- 施設外就労先もバリアフリー環境が整っている
- キャリアアップにつながる仕事ができる
ポイント②集客経路の理解
利用者はどのようにして就労継続支援A型事業所のことを知るのか、理解しておくことも大切です。
厚生労働省令和4年度障害者総合福祉推進事業「就労系障害福祉サービスの利用者の支援ニーズ等の実態把握等に関する調査」 によると、『今通っている事業所を知った経緯』は以下のようになっています。
ハローワークと相談支援事業所経由で就労継続支援A型事業所を知った人が64.1%である一方、家族や学校、友達、前の職場を通して知った人や自分で調べた人もいました。
このように、利用者が就労継続支援A型事業所を知るきっかけは様々なパターンがあるため、それぞれの集客経路に対してアプローチしていくことが、安定的な利用者獲得につながります。
ハローワークだけじゃない!就労継続支援A型の利用者の集め方6選
ここからは、就労継続支援A型事業所で利用者を集めるための具体的な手段を6つご紹介していきます。
就労継続支援A型の集客方法①ハローワークに求人掲載
先ほどご紹介したように、就労継続支援A型事業所の利用者の約35%がハローワーク経由で事業所のことを知ることから、ハローワークへの求人掲載は必須とも言えるでしょう。
ただし、競合となる他の事業所も同様にハローワークへ求人を掲載している可能性が高いため、利用者が「見学してみたい・働いてみたい」と思うような、魅力的な求人票を書く必要があります。
ハローワークの事業所登録や求人票には、
- 仕事の内容
- 必要な経験・知識・技能等
- その他の手当等付記事項
- 事業所からのメッセージ
- 障害者に実施している合理的配慮の例
- 画像情報(事業所の外観、仕事内容、パンフレット等)
- トライアル雇用併用求人かどうか
- 両立支援の内容
といった項目にできるだけ多くの情報を、具体的に分かりやすく記載してみましょう。
また、職業安定法施行規則の改正により、2024年4月1日からは、求人申込み行う場合は、求人票に以下の明示が必要となりましたので、注意が必要です。
- 従事すべき業務の変更の範囲
- 就業の場所の変更の範囲
- 有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間または更新回数の上限を含む)
就労継続支援A型の集客方法②チラシ・パンフレット
関係機関や見込み客に自事業所の強みやコンセプトが伝わるようなチラシ・パンフレットを作成します。チラシ・パンフレットには以下のような内容を盛り込みましょう。
- 事業所の理念
- 仕事内容・サービス内容
- 事業所の強み・アピールポイント
- 問い合わせ先(電話、メール、FAXなど)
- スタッフ紹介
- 営業時間
- 事業所の場所・アクセス方法
- 運営会社
- 利用料金
- 施設外就労先
- 一般就労移行率
作成したチラシ・パンフレットは関係機関に郵送するほかに、訪問営業の際に配布をするといった活用方法があります。
就労継続支援A型の集客方法③関係機関への営業
相談支援事業所や特別支援学校といった関係機関の担当者と信頼関係を築くことができると、利用者を紹介してもらえる場合があるため、営業活動も重要です。
一度も訪問したことがない相手先にいきなりアポなしで訪問するのは迷惑がかかる恐れがあるため、まずは電話で訪問の約束を取り付けます。
電話をかける前に、事前にチラシやパンフレットを送付しておくと、説明がスムーズに進みアポイントが取りやすくなります。
- 相談支援事業所
- 特別支援学校
- 病院
- デイケア
- 障害者就業・生活支援センター
- 就労移行支援事業所
- 就労継続支援B型事業所
就労継続支援A型の集客方法④SNS(インスタ・X)
利用者や利用者の家族が情報収集をし、就労継続支援A型事業所に問い合わせをする場合もあります。
最近ではインターネット検索だけでなくSNSを利用して気軽に情報収集をする人も多いため、SNSで仕事内容やスタッフの雰囲気が伝わるような発信をするのもおすすめです。
YoutubeやTikTokなどの動画系のSNSはコンテンツの制作に手間と時間がかかりますが、XやInstagramは文字と写真が中心のため、比較的始めやすいです。
- X(旧Twitter)
- Youtube
- TikTok
就労継続支援A型の集客方法⑤ホームページ
就労継続支援A型事業所のホームページを作成して公開すると、利用者がインターネットで検索したときにホームページへの流入や問い合わせにつながる可能性があります。
一方、見やすいホームページを作成するためには初期費用や時間がかかるほか、SEO対策(検索エンジン最適化)を適切に行わなければ検索結果に上位表示されないため、流入が期待できない場合も多いです。
就労継続支援A型の集客方法⑥Web広告
利用者や家族がインターネットで就労継続支援A型事業所を探しているときに、自事業所のホームページを見てもらうためには、Google広告やYahoo広告といったWeb広告への出稿も有効です。
例えば、利用者が「秋葉原駅 就労継続支援A型」とインターネットで検索したときに、リスティング広告(Web広告のひとつ)に出稿していると、自然検索(広告枠ではない検索結果)よりも上に表示されるため、閲覧される可能性が高くなります。
ただし、人気のキーワードほど広告費用が高くなる傾向にあるほか、問い合わせにつながらなくてもクリックをされるだけで費用が発生してしまうなど、集客のための費用対効果がよくない場合もあります。
就労継続支援A型事業所の集客・利用者集めをお手伝いします
Web広告への出稿やホームページの作成といったインターネットを利用した集客は、無駄な費用が発生してしまったり、適切な知識がないと効果がでなかったりすることも多いです。
事業所検索サイトデイゴー就労支援ナビは、事業所を探す利用者や関係機関に対して、全国の就労系障害福祉サービスの施設情報を網羅的にわかりやすく公開することで、利用者集めにお困りの事業所の集客をお手伝いします。
掲載費用は0円からとなっていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
最後に
ここまで、就労継続支援A型事業所で利用者を集めるためのポイントや、利用者集客のための具体的な手段を6つご紹介してきましたが、いかがでしたか。
利用者は様々な経路から就労継続支援A型事業所を知ることになるため、利用者を安定的に集めるためには、ハローワーク以外の集客経路を開拓することが大切になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。