就労継続支援B型で利用者が集まらない理由は?集客方法もご紹介!

就労継続支援B型事業所の経営者・サービス管理責任者・管理者の皆さまの中には、「就労継続支援B型の利用者がなかなか集まらない」や「就労継続支援B型で利用者をもっと集客するためにはどうすればいいの?」といった悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、就労継続支援B型事業所で利用者が集まらない原因と対策、利用者獲得のための具体的な集客方法についてご紹介していきます。

目次

就労継続支援B型で利用者が集まらない原因と対策

利用者が集まらないとお困りの皆さんの就労継続支援B型事業所は、利用者の平均的な利用率がどのくらいかご存知でしょうか。

厚生労働省の調査によると、就労継続支援B型の利用率(1日平均利用者数÷登録者数)は以下のグラフのようになっており、『利用率が50%以下の割合』は全体の10.7%です。

就労継続支援A型・就労移行支援と比較して、就労継続支援B型だけが唯一10%を超えており、利用者集客がうまくいっていない事業所も多いことが読み取れます。

(厚生労働省令和4年度障害者総合福祉推進事業 就労系障害福祉サービスの利用者の支援ニーズ等の実態把握等に関する調査より作成)

ここからは、就労継続支援B型事業所で利用者が集まらない原因と、その対策について考えていきます。

原因①事業所の強みを明確にできていない

就労継続支援B型事業所の強みは、近隣の事業所などの競合と比較したときに優位となる部分のことです。

強みが明確にできていないと、関係機関への営業で事業所の説明をする際に他の事業所との差別化ポイントが伝わらないため、「この事業所に利用者を紹介したい」という動機付けができません

強みを明確にできていないことへの対策

対策として、自事業所の特徴を洗い出し、他の事業所と比較したときに差別化できるポイントを見つけることで、強みを明確にしましょう

就労継続支援B型事業所の強みの例
  • 平均工賃が高い
  • 体調を崩さずに働ける仕組みを整えている
  • キャリアアップが期待できる仕事がある
  • 利用者の希望に合わせて数種類の仕事から選べる
  • 一般企業へ就職した利用者がいる
  • 能力が上がれば工賃も上がる仕組みを整えている
  • 送迎を行っている

原因②そもそも事業所の強みがない・少ない

他事業所と比較した際に、自事業所にそもそも強みが見つからない・少ない場合も考えられます

強みがない・少ないことへの対策

すぐに強みを作るのは難しいかもしれませんが、対策として、自事業所に足りていない部分をリストアップし、優先度が高い順番にアピールポイントを作っていきましょう

強みをつくるときの参考までに、就労継続支援B型事業所の利用者が「今通っている事業所で働きたいと思った理由」は以下のようになっています。

(厚生労働省令和4年度障害者総合福祉推進事業 就労系障害福祉サービスの利用者の支援ニーズ等の実態把握等に関する調査より作成)

また、就労継続支援B型事業所の利用者が「会社などへ就職をめざすためにスタッフにしてほしいこと」は以下のようになっています。「わからない」や「特にしてほしいことはない」と答えた人は約43%となっていることから、一般就労を目指すイメージがない利用者が多い可能性も考えられます

そのため、例えば「最初は不安が強く週1日しか来ることができなかった方が、今では週5日間通所されており、リーダーになって活躍しています」というような事例やQ&Aをホームページに掲載したり、関係機関に紹介したりすることで、新しい利用者を獲得している事業所もあります。

グラフ, 棒グラフ

自動的に生成された説明
(厚生労働省令和4年度障害者総合福祉推進事業 就労系障害福祉サービスの利用者の支援ニーズ等の実態把握等に関する調査より作成)

原因③利用者の集客経路が少ない

利用者が就労継続支援B型事業所を知る経路は、相談支援事業所だけでなく、家族や学校、自分で調べるなど、以下の図のように様々です。

ですから、対応できている集客経路が少ないと、接触できる利用者も限られてしまいます

グラフ, 棒グラフ

自動的に生成された説明
(厚生労働省令和4年度障害者総合福祉推進事業 就労系障害福祉サービスの利用者の支援ニーズ等の実態把握等に関する調査より作成)

集客経路が少ないことへの対策

対策としては、ホームページ作成や新規営業先の開拓といった集客経路を増やしていくことが考えられますので、この記事の後半部分で集客方法を詳しくご紹介していきます。

原因④営業で関係機関との信頼関係が築けていない

係機関との信頼関係を築けておらず、利用者の紹介をしてもらえないケースも考えられます。

営業で関係機関との信頼関係が築けていないことへの対策

対策としては、関係機関との信頼関係を築けていない理由を深堀りしてみましょう。例えば、以下のような信頼関係を構築できていない理由が考えられます。

信頼関係を築けていない理由
  • 営業をおこなった関係機関の数が少ない
  • 訪問回数が少ない
  • 関係機関の担当者との相性が合わない
  • 特徴や強みを伝えきれていない

こうした原因に対してそれぞれさらに対策案を考え、実行していきます。

解決のための対策案
  • 関係機関のリストを見直す
  • 定期的な訪問を続ける
  • 別の職員に営業に行ってもらう
  • 自事業所の強みを精査し、パンフレット等を活用してもう一度プレゼンする

就労継続支援B型事業所の集客・利用者獲得の手段7選

就労継続支援B型事業所が利用者を集めるための具体的な手段は、訪問営業やチラシ・パンフレットといったオフラインによるものと、SNSやホームページでの発信といったインターネットを利用したものがあります。

ここからは、そうした利用者の集客方法を7つご紹介していきます。

就労継続支援B型の集客方法
  1. 訪問営業
  2. チラシ・パンフレット
  3. イベント
  4. SNS
  5. MEO(Map Engine Optimization)対策
  6. ホームページ
  7. Web広告

就労継続支援B型の集客方法①訪問営業

相談支援事業所をはじめとした関係機関に訪問による営業を行い、事業所のことを知ってもらうことで、利用者の紹介につながります。

初めての相手にアポイントをとる際は、チラシなどのDM(ダイレクトメール)を送付した上で電話をかけると話がスムーズにすすむ場合も多いです。

紹介就労継続支援B型事業所の営業先は以下のようになります。

就労継続支援B型事業所の営業先
  • 相談支援事業所
  • 特別支援学校
  • ハローワーク
  • 病院・クリニック
  • クリニック併設のデイケア
  • 市町村の障害福祉課
  • 障害者就業・生活支援センター
  • 就労継続支援A型事業所
  • 就労移行支援事業所

就労継続支援B型の集客方法②チラシ・パンフレット

チラシ・パンフレットは、関係機関や利用者、家族に自事業所の特徴や強みを理解してもらい、問い合わせにつなげるために活用できます。

チラシ・パンフレットには以下のような項目を写真やイラストも利用しながら分かりやすく記載します。

チラシ・パンフレットに記載する項目
  • 事業所の理念
  • 仕事内容・サービス内容
  • 事業所の特徴・アピールポイント
  • 問い合わせ先(電話、メール、FAXなど)
  • スタッフ紹介
  • 営業時間
  • 事業所の場所・アクセス方法
  • 運営会社
  • 利用料金
  • 施設外就労先
  • 一般就労移行率

また、せっかく作成したチラシやパンフレットを関係機関や利用者に見てもらうためには、

  • DMで送付する
  • 訪問営業の際に持参する
  • 関係機関に設置させてもらう
  • ホームページに掲載する

といった活動も別途おこなう必要があります。

就労継続支援B型の集客方法③イベント

特に開業してから日が浅い事業所は、事業所内でイベントを開いて関係機関や見込み利用者、地域住民に足を運んでもらい、自事業所について認知してもらうことで、紹介や問い合わせにつながる可能性があります。

就労継続支援B型事業所が主催するイベントは、以下のような例が考えられます。

就労継続支援B型事業所のイベント例
  • 内覧会
  • 説明会
  • 職場体験会
  • 講演会・セミナー
  • お祭り(夏祭り・七夕祭りなど)

就労継続支援B型の集客方法④SNS

利用者や家族が情報収集をし、就労継続支援B型事業所に問い合わせをする場合もあります。

最近ではインターネット検索だけでなくSNSを利用して気軽に情報収集をする人も多いため、SNSで仕事内容やスタッフの雰囲気が伝わるような発信をするのもおすすめです。

就労移行支援の発信で利用できるSNSの例
  • Instagram
  • X(旧Twitter)
  • Youtube
  • TikTok
  • Facebook

就労継続支援B型の集客方法⑤MEO(Map Engine Optimization)対策

利用者や関係機関の中には、Google Mapなどの地図アプリで事業所を検索する人もいます。例えば地図アプリで「池袋 就労継続支援B型」と検索したときに、一番上に表示された事業所の方が閲覧される割合も高くなります。

地図アプリで事業所を見つけてもらい、問い合わせをしてもらうために有効なのが、MEO対策です。MEOは、Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)の略称で、地図アプリの検索結果で上位に表示されるようにするための取組みのことをいいます。

MEO対策の具体的な方法は様々ありますが、以下のような取組みが考えられます。

  • 事業所の写真や動画を充実させる
  • 口コミを集める
  • ビジネスプロフィール情報を充実させる

就労継続支援B型の集客方法⑥ホームページ

就労継続支援B型事業所のホームページを作成して公開すると、利用者や関係機関がインターネットで検索したときにホームページへの流入や問い合わせにつながる可能性があります。

一方、見やすいホームページを作成するためには初期費用や時間がかかります。また、SEO対策(検索エンジン最適化)を適切に行わなければ検索結果に上位表示されないため、流入が期待できない場合も多いです。

例えば、同じ地域にいくつかの就労継続支援B型事業所があった場合、「○○市 就労継続支援B型事業所」と調べて検索結果の上部に表示されなければ、ホームページを見つけてもらうことはできません。

就労継続支援B型の集客方法⑦Web広告

利用者や家族がインターネットで就労継続支援B型事業所を探しているときに、自事業所のホームページを見てもらうためには、Google広告やYahoo広告といったWeb広告への出稿も有効です。

Web広告の中でも、検索結果に広告を出稿できるリスティング広告が始めやすいです。

例えば、利用者が「台東区 就労継続支援B型」とインターネットで検索したときに、リスティング広告に出稿していると、自然検索(広告枠ではない検索結果)よりも上に表示されるため、閲覧される可能性が高くなります。

ただし、人気のキーワードほど広告費用が高くなる傾向にあるほか、問い合わせにつながらなくても広告をクリックをされるだけで費用が発生してしまうなど、集客のための費用対効果がよくない場合もあります

就労継続支援B型事業所の集客・利用者集めをお手伝いします

Web広告への出稿やホームページの作成といったインターネットを利用した集客は、無駄な費用が発生してしまったり、適切な知識がないと効果がでなかったりすることも多いです。

事業所検索サイトデイゴー就労支援ナビは、事業所を探す利用者や関係機関に対して、全国の就労系障害福祉サービスの施設情報を網羅的にわかりやすく公開することで、利用者集めにお困りの事業所の集客をお手伝いします。

掲載費用は0円からとなっていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

最後に

ここまで、就労継続支援B型事業所で利用者が集まらない原因と対策、利用者獲得のための具体的な集客方法についてご紹介してきましたが、いかがでしたか。

利用者の集客にお困りの場合は、利用者が集まらない原因を洗い出し、対策を講じていくことが大切になっていきます。また、利用者は様々な経路から就労継続支援B型事業所にたどり着くため、いくつかの集客方法を試してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

監修者情報:メンタルエイド代表。社会福祉士、精神保健福祉士、ジョブコーチ、心理カウンセラー、幼稚園教諭。就労移行・就労定着支援サービスを行う事業所に12年従事。サービス管理責任者として個別支援計画をはじめ利用者との認知面談を中心にプログラム講師・支援機関連携・クリニック同行・企業開拓・面接同行・応募書類添削・定着支援・新規立ち上げ・スタッフ育成などを行う。120名の障がい者就労の実績があり、面談は1,000人以上。多くの面談実績からオリジナルの上村式認知整理面談技法を発案。

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